情報処理サービス業界はシステムインテグレータ(SI)と呼ばれ、企業に情報システムの導入をおこなう際の全てのサービスを提供します。有名な企業でいえば日立・NEC・富士通・IBMなどが日本の情報産業としてはトップクラスです。
情報処理業界はハードウェア業界とソフトウェア業界の両方をカバーしていることが多く、ハードウェアからデータベース、ソフトウェアの開発・管理・保守など全ての商品をひとつのパッケージとしてクライアントに提供することが多い業界です。
企業の業務内容に合わせて現在抱えている問題点や課題を分析し、業務の効率化、課題の解決、ライバル企業に対する戦略などを視野に入れたコンサルティングサービスを提供したりします。
ITコンサルタント

ITコンサルタントとは?
ITコンサルタントとは「ITを活用して企業の経営課題を解決する」ことを目的とし、対策の提案からシステム開発の提案やシステムの最適化などありとあらゆる分野の業務をおこないます。
業務規模と収入額に応じ高度なスキルが求められる仕事です。

仕事内容
ITコンサルタントの仕事は、企業のIT戦略に沿ったシステムの見直し、新システム導入の提案、システムの最適化や動作検証まで多岐にわたり、あらゆる作業に携わるのがITコンサルタントの仕事です。もちろん全てを1人で行うのではなく、各分野のスペシャリストでチームを作り、協力して業務をおこないます。
ITコンサルタントの仕事の流れ
ITコンサルタントの仕事の流れはざっくり3つに分けることができます。
1.ヒアリングと分析

クライアント企業の経営者やIT担当の責任者から業務範囲や経営戦略、導入済みのシステム、業務フローなどのヒアリングにはじまり、必要であれば、実際の業務に立ち会いながら、ビジネスの分析をおこないます。そして、分析した結果を可視化していきます。
2.分析結果と提案

分析結果を基にクライアントに問題点を説明し、何が悪くて現状がどのような状況かを理解してもらい、新システムの導入や企業の課題を解決するための解決方法を提案します。ここでしっかりしたプレゼンができなければ、スムーズに仕事が進まないため、ITコンサルタントにはプレゼンスキルも求められます。
3.マネジメント

問題解決するために採用されたプロジェクトを統括し、必要な人材を集めてチームづくりや、全体の進捗管理、品質管理をおこない、実際のプロジェクトを進めていき、定められた期間内に課題を解決するまでがITコンサルタントの仕事の流れです。
ITコンサルタントに必要なスキル
ITコンサルタントは各プロジェクトにおいて、全てをまとめる「リーダー的」な役割です。そのため各分野の専門的なIT知識や、問題解決に必要な幅広い思考、多くの技術者をまとめる協調性などが求められます。
また、「クライアントは何に困っていて何を求めているのか?」を聞き出すことから仕事が始まります。顕在的な部分から潜在的な部分までを聞きだすコミュニケーション能力も必要です。
多くのクライアントと交渉をするため、同時進行で案件が進むことも多く、体力やプレゼンスキルも高いほうが、仕事をスムーズに進めることができます。
ITコンサルタントは問題解決のスペシャリストとして、常に問題解決に向けて挑戦し続ける前向きな姿勢が求められます。
ITコンサルタントの年収

高い能力が求められるITコンサルタントはIT業界では特に年収が高く、全ての年代で高水準です。doda平均年収ランキング2019年度のデータによると平均年収は611万円(644万円男性、500万円女性)と非常に平均年収が高額な職業です。
また、覚えるスキル働く場所によってさらに年収は高くなります。

ITコンサルほどの実力を手にしていればフリーランスとして活躍することも視野に入れましょう!
ITコンサルタントへのステップアップ

ITコンサルタントには幅広い知識と能力が必要です。そのためITコンサルタントになるためには時間と経験が必要です。
ITコンサルタントに必要なスキルを身につけるための方法をここでは紹介しておきます。
独立で学ぶ方法
ITコンサルタントを独学で学ぶにはかなり経験と時間が必要です。コンサルする企業の規模にもよりますが、実務経験と実際の実績が無ければ、企業側もコンサルして欲しいとは思いません。ITコンサルタントを目指すなら、プログラマーかシステムエンジニアからキャリアアップを目指すことをおすすめします。

ITコンサルは知識だけ詰め込んでできるほど甘くはないよ。経験をもとに問題解決することが多く、独学で経験値を積むのは非常に難しい。また、中小企業のITコンサルタントと大企業向けのITコンサルタントでは必要となるスキルも違うからまずは、今できることから始めましょう。
最短でITコンサルタントを目指す
まず、未経験からITコンサルタントを目指すのであれば、
- プログラマー、システムエンジニアの実務経験
- プロジェクトマネージャーなど管理職を経験
- ITコンサルタントにキャリアチェンジ
などのステップを踏むのが最適です。
さらに最短でITコンサルタントを目指すなら実務をこなしながら、ITスクールに通い必要なスキルを身につけましょう。

また、コミュニケーション能力やコンサルティング能力など、携わる仕事によってさまざまな専門知識が求められる職業です。Webマーケティングなどのスキルも必要となるため早い段階で覚えておくことがおすすめします!
セールスエンジニア
セールスエンジニアは、名前の通り技術的な作業をおこなう「エンジニア」と顧客へ提案や問題解決をおこなう「営業」の両方をこなす仕事です。メーカーや、IT系の企業で特に活躍する職業で、自社製品やサービスなどの導入・提案・顧客管理・サポートなどを総合的におこないます。
専門知識を必要とする商材になるほど、知識の少ないクライアントが理解できる解説能力が必要で、エンジニアと営業の「一人二役」をこなす必要があり、大変な仕事ですが、その分セールスエンジニアの市場価値は高く、クライアントからも信頼される職業です。
セールスエンジニアの仕事内容
セールスエンジニアの仕事内容は、営業職である、新規開拓から既存顧客への新たなサービス提供と技術的な知識で自社製品の導入、管理、サポートや、顧客のシステムの入れ替えなどエンジニア職の2つの仕事ををおこないます。
通常の営業職と違い、技術的な知識を現場で活かせるため、クライアントからの専門的な質問にも即座に対応できファーストコンタクトでも問題解決までの提案を即座に対応することができます。
また、技術知識の少ない営業に同行して企業訪問する機会も多くさまざまな企業と接点を持つことが可能で、技術職でありながらクライアントの目線にたって仕事ができ、豊富な専門知識で販売からアフターフォローまでを1人でおこなうことができます。

このことから、進化のスピードが速いIT業界ではセールスエンジニアの需要は高まっています。
セールスエンジニアの年収

「doda平均年収ランキング2019」によると、セールスエンジニアの男女全体の平均年収は507万円(男性:512万円 女性:451万円)ほどです。
他の職種と比較すると、平均年収は高いものの、専門的な知識やスキルが必要とされる他、販売から導入後のトラブルからアフターフォローと、セールスエンジニアが携わる業務内容は幅広く、技術志向か営業志向かでその後のキャリアパスは変わります。
キャリアパスとは?

キャリアパスとは、あなたが会社で、ある職位に就くまでに辿っていく経験や順序のことです。個人の方なら将来自分が目指す職業をどんな形で経験を積んでいくかという順序、計画のことをキャリアパスといいます。
セールスエンジニアになるには?
ITの技術的な知識や経験があり、コミュニケーション能力に、長けていれば特に資格はいりません。セールスエンジニアになるパターンの多くは営業からセールエンジニアを目指すのが一般的です。
自社製品を深掘りする事で営業としての専門知識を身につけ、さらに深掘りした知識を横展開して知識の幅を広げていくパターンが一般的です。
もちろんこの逆パターンとして、エンジニア、技術者からセールスエンジニアを目指すパターンもあります。エンジニアとしての実務経験は、本や教科書で得られるものではありません。その広い知識を使うことで納得のいく提案をクライアントに提供できるため、エンジニアからセールスエンジニアにキャリアアップする方も多くいます。

ただ、注意点としてエンジニアから営業に上がった場合、何も知らないクライアントに対して不快にさせてしまうエンジニアも少なくない。知識をひけらかす営業は相手にとって不快にしかならないので、そのため知識が豊富にあってもコミュニケーション7割、知識3割での会話を心がけよう。